外国人声優とのレコーディングセッションを成功させるには
Donna Burke著 | 協力: 東京コメディストア主催 Chris Wells および Spontaneous Confusion actors
この講座では、スタジオ内でよく起こる問題を明らかにした上で、声優のキャスティングについてのアドバイスをご提案します。現役で実際に活躍している声優達が、スタジオで起こりえる様々なシーンを演じるのをご覧になって下さい。これを見て頂けると、声優にディレクションをする上でのヒントを持ち帰って頂けることでしょう。
これまでレコーディング経験があった方でも、ない方でも、参考にして頂けます。
いかにして次のナレーション録りを出来るだけ成功させるか
まず、プロデュースする側から何がうまく行かないなのかを見てみましょう。
キャスティングの際に考えるべきこと
- 信頼できるボイスサンプルですか?
- 他の声優から推薦された声優を使いますか?
- デモテープやオーディションによるキャスティングをしますか?
- ギャラは、時間単位? それとも、セッション単位?
ディレクターが困るスタジオ内でよく起こる問題
- 不適切な (または単に間違った)キャスティング
- 完成度の低い台本- — 声優が変更を提案し続けてしまう。
- 予定収録時間の計算ミス
- 他の声優とのスケジューリングのまずさ
- 声優がディレクターの指示を受け入れることができない。または受け入れようとしない。
- 声優が無駄話をし過ぎたり、全く仕事への緊張感がない。
では次は、声優側から見てみましょう…
ディレクターまたはプロデューサーと声優の間でよく起こる問題
- ディレクターが何をどうしたいのかが分っておらず、明確なディレクションが出せない。
- プロの声優を雇う予算がないなどの理由から、ディレクターが「使えない声優」を選んでいる。(知人の外国人に頼む、など)
- ディレクターが、声優がまるでロボットか何かのように、全く同じことを何度も繰り返させる。
- 声優に役柄のイメージを与える画像も、役柄の背景にある内容も教えない。
- アドバイスをしたり、議論するディレクターが複数名いる。
- 予算の都合で、エアコンもなく設備整っていない環境でのレコーディング。
- 相手の声優がいない状態で、一人で会話の一方だけをレコーディング する。
声優からより優れたパフォーマンスを引き出すためのアドバイス
声優にとって理想的な3つの事柄
1. 具体的であること
「セーラームーンであなたがやったあの低い声が良かったね。」
「そうじゃないんだ。それではセクシー過ぎるし、吐息が出過ぎている。もっとしっかりと、ストレートな感じで話してみて。」
2. 役柄の情報を与える
「あなたの役柄のイメージはこんな感じです。彼はとてもずるがしこいのだけれども、心の中には善意を持った人間なのです。だけどここでは、彼が実は良い人間だということを分からないという感じでこのシーンを演じて下さい。」
3. 優れた脚本を提供する
プロの作家によるネイティブチェックを必ず行って下さい。ある人がオーストラリアやアメリカ、またはイギリスのパスポートを持っていて、学校で英語を話していたからといって、それでその人が作家になれるわけではありません。脚本を書いたり、編集したりするのには高度なスキルが必要なのです。専門スキルのない単なるネイティブスピーカーではなく、実際に作家や編集者であるネイティブチェッカーに依頼して下さい。
十分なスキルを持った作家や編集者を雇ったり、見つけたりすることができない場合は、複数のネイティブスピーカーに、必要とするフィードバックがどのようなものであるのかについて明確な指示を与えた上で、チェックしてもらうようにしてください。例:「(1)会話の自然さ、(2)文法やつづり、(3)レイアウト、(4)上記の全て!の点で、内容をチェックしていただけますか?」
また台本は読みやすくするために、ダブルスペースで、少なくともフォントサイズ14を使用してください。
そして最後に…。
いかにして次のナレーション録りを出来るだけうまく行うか?
キャスティングに際してのアドバイス
- 声優の役柄にあった10行程度の台詞を録音した音声ファイルを聞く。
- 他の声優達の声に耳を傾ける。彼らが「難しい人物」とが言うのであれば、それは恐らく本当のことだ!
- 才能は安いものだ。性格が良くて、礼儀や行動もわきまえのある声優は、「完璧な声」以上にかけがえのない価値がある。
- オーディションは時間を必要とする。オーディションで集まった膨大なサンプルをチェックするだけの時間とスタッフがいるなら、開催して下さい。そうでなければ、ボイスデモからキャストするだけで十分。
レコーディングを成功させるために
- 前もってネイティブの作家がチェックした台本を用意すること。
- 事前に台本の時間割りを確認すること。
- 声優が役柄のイメージをしやすいように、写真や絵、もしくは役柄の経歴を提供すること。
- 声優の意見にも耳を傾け、彼らとオープンに対応してみよう。「それはいいアイデアだ。君のやり方で録音してみよう。」というような会話から、無駄な議論や声優サイドの懸念を取り除くこととなる。懸念材料が取り払われることによって、結果的にはあなたのやり方で進んで行くこととなるのである。いわば、ウィン・ウィンなのだ(お互いの顔が立ってうまく行く)!
- 時計をあからさまに見ること。おしゃべりな声優があなたの時間を食いつぶさないようにするためには、厳格に対応することも必要だ。
- 音声ブースはエアコンが効いていて、水も飲める環境であること。叫び続けると声帯に悪い!
- あらかじめ、誰がディレクションを出すのか決めておく。複数の人からバラバラな指示を受けることは、声優にとっては非常にやりにくい。
- ディレクションやフィードバックはできるだけ具体的に説明すること。
- あらかじめ声優に守秘義務の契約に署名してもらう。あなたのプロジェクトが声優のブログで漏れてしまうことがないように!!
- むやみやたらにリテイクを要求しない。どうして欲しいのかということについては明確に伝えよう。
